医療と介護を繋ぐヘルスケア・ソーシャル・ネットワーク
三原 一郎
鶴岡地区医師会では、11月1日より、「メディカルパーク」という名称で、インタネット上に医療相談室を開設することになりました。本ンステムは、一般の方々が抱いている医療に関する悩みや疑問をインターネットという新しいメディアを利用してお答えしようという試みです。医療相談室ホームページから所定の様式にしたがって投稿された質問を当地区医師会のそれぞれの専門医が回答し、ホームページにデータペースとして蓄積、掲載して行きます。ある程度QandAが溜まったてきた段階で、臓器別、料目別に整理し、医療相談室を訪ねることで、良く質問される疑問にはキーワードで検索できる機能を追加し、医療データベースの構築も目指しています。
このような医療相談は.パーチャルホスピタルと称され、インターネット上に数多くみられますが、それらは、メールを利用した質間者と回答者が一対一で対応するやり方でした。その場合個人的な質間が多くなろがちで、実際の医療との兼ね合いもあり、、なかなか対応が難しいのが現状のようです.そこで.われわれは、質問はそれを公開することを前提とした医療およぴそれに関連した一般的な事柄に限定し、個人的な質問には基本的には答えないことで対応することにしました。また.質間者は、県内在住の方のみとし、なるペ地域に密接した形のサービスとしたいと考えています。
当地区医師会では、97年4月に医師会としてのホームページを立ち上げ、同年5月には医師会内にイントラネットサーバを設置し、各医療施設、医師会、訪問看護ステーンョンなどを相互に結ぷパソコンネットワークを構築しました.現在会員数約60名で.患者情報のやりとりを含めさまざま情報の伝達や各種医療情報の提供.また在宅医療24時間連携における息者データの共有化などを実用化しております。また現在.医師会内の臨床検査センターのデータをイントラネットを介して参照できるンステムを開発中です。ここでは既存のネットワークを利用し、患者さんの臨床データを経時的にまたグラフ化して表示できるだけでなく.他の医療機関からの検査データの参照も可能とする予定です。こうすることで.検査の重複を避けることできるなど.医療機関側のみならず患者サイドにとってもメリットの多いシステムになることが期待されます。
このような情報化の推進は、単に利便性が増すばかりでなく、地域における医療の質やサービスの向上に大いに寄与できると確信し、さらに情報化を進めて行きたいと考えております。
医療相談のURLはhttp://www2.mwnet.or.jp/~tsurumed/sodanとなります。
(山形県医師会会報 平成10年10月 第586号 18ページ)