鶴岡地区における医療情報ネットワーク活用状況調査結果

平成25年3月11日
鶴岡地区医療情報ネットワーク協議会・山形県庄内保健所
調査実施機関:庄内保健所

1.調査概要




(1) 調査目的
   鶴岡地区において、どの程度の医療情報ネットワーク活用状況にあるのか、今後の見通しや期待等を調査し、参加機関拡大の取組みやシステム改善等のベースラインとなる指標を得ることを目的とした。
(2) 調査手法
   郵送又はFAXにより調査様式を配付し、記入後に回収する無記名アンケート方式とした。
(3) 調査対象
   鶴岡地区において、医療情報ネットワークによる連携が見込まれる医療・介護施設。
 

鶴岡市立荘内病院および鶴岡協立病院以外の医師会会員に対しては、医師あてに調査票配付。鶴岡市立荘内病院及び鶴岡協立病院については、病院側の厚意により全医師に調査票配付。
歯科診療所・薬局については、施設毎に調査票配付。
介護・福祉施設については、同一法人で同一所在地の場合はサービスごとの重複配付せず。
(4) 調査期間
  平成24年9月〜11月


2.調査結果




(1) 調査回答状況

  調査票配付数 回収数 回収率(%)
病院・勤務医 101 24 23.8
診療所 119 37 31.1
歯科診療所 60 33 55.0
薬局 58 35 60.3
介護・福祉施設 79 54 68.4
417 183 43.9
調査様式配付・回収にあたっては、鶴岡地区医師会・鶴岡地区歯科医師会・鶴岡地区薬剤師会・鶴岡市立荘内病院・鶴岡協立病院・鶴岡市地域包括支援センターの協力を得た。
※なお、病院・勤務医、診療所の回収率が低いことから、医療情報ネットワークへの関心を高めるような対応も求められる。


(2) 調査項目

1)Net4Uを知っていますか
2)Net4Uに加入していますか

n=183 回収数 (a)
1)認知数
(b)
認知割合(%)
(b/a)
2)加入
(参考)調査時点での
加入総数 ※
病院・勤務医 24 24 100.0 19 5
診療所 37 36 97.3 18 24
歯科診療所 33 23 69.7 0 0
薬局 35 28 80.0 6 9
介護・福祉施設 54 49 90.7 13 14
183 160 87.4 56 52
※病院・診療所は施設ごとの数である。
 無記名アンケートのため、認知していない機関は提出していない可能性が高く、その結果、認知割合が高くなっているものと考えられる。ただし、歯科診療所の認知割合が平均より17%以上低いので、対応が求められる。
 また、ネットワークの使用状況の把握を主な調査目的としているため、一部の病院や診療所については医師個人にアンケート用紙を配布しているため、?加入状況の数値は参考とされたい。


3)Net4Uを知っているが加入していない場合、今後使ってみたいと思いますか

n=104 認知数
(b)
加入
(c)
未加入
(b)-(c)
思う
思わない
未回答
病院・勤務医 24 19 5 1 3 1
診療所 36 18 18 5 12 1
歯科診療所 23 0 23 12 7 4
薬局 28 6 22 11 8 3
介護・福祉施設 49 13 36 18 12 6
160 56 104 47 42 15

◆使ってみたいと思わない場合の理由(回答者33)

  • 今のところ必要性を感じないため、特に不都合はないため。(13)
  • 紹介が少なく1回の紹介で終わるため、関係する患者が少ないため、該当者なしのため。(3:診療所・薬局)
  • メリットが見出せないため。(2:診療所・歯科診療所)
  • 時間的、精神的余裕がないため、忙しすぎて時間がないため。(2:診療所・薬局)
  • 詳細不明のため。(2:薬局・短期入所)
  • 端末を増やさなければならないため。(1:診療所)
  • 回線がISDNのため。(1:薬局)
  • 経費を掛けられないため。(1:居宅介護支援事業所)
  • 医療機関ではないため。(1:居宅介護支援事業所)
  • 電子カルテ等使用していないため。(1:診療所)
  • 情報量が多すぎ、現状の紙面で今は十分であるため。(1:老健)
  • 時期ではない。(1:診療所)

◆未回答者のコメント(回答者4)

  • 現在、診療所にインターネット回線なしのため。(1:歯科診療所)
  • 病院併設施設のため、病院外来患者として利用しているため。(1:老健)
  • どちらともいえない。(1:歯科診療所)
  • 今後検討する。(1:居宅介護支援事業所)

 Net4Uを知っているが加入していない者の45%が、使ってみたいと回答している。特に、介護福祉施設・歯科診療所・薬局において多いことから、当該職域への勧奨が有効と思われる。
 一方、使ってみたいと思わない理由として、「必要性を感じない・不都合がない」が最も多くなっている。医療介護連携を効果的に進めるために有用であることを理解してもらうために、一層の啓発が必要である。


4)Net4Uの利用頻度はどの程度ですか

n=56 ほぼ毎日
週に数回
月に数回
年に数回
ほとんど
無し
以前利用
現在無し
利用実績
無し
病院・勤務医 1
2 2 3 6 1 4
診療所 8 1 1 2 5 1 0
歯科診療所 0 0 0 0 0 0 0
薬局 2 2 0 0 1 1 0
介護・福祉施設 3 4 4 1 1 0 0
14 9 7 6 13 3 4
構成割合(%) 25.0 16.1 12.5 10.7 23.2 5.4 7.1

◆利用頻度が「ほとんど無し」の理由

  • 必要性を感じない、使用しなくても支障がない、院内カルテで大体分かるため。
  • 入力が面倒、電子カルテを利用しながらは煩雑、登録に手間が掛かる、忙しいため。
  • 使用に慣れていない、手順が分からなくなったため。
  • 診療所で使用していないため。(病院の回答)
  • 患者登録時の本人への説明が面倒なため。

◆利用頻度が「以前利用・現在無し」の理由

  • 新バージョンでの画面展開が遅くなったため。
  • 記載内容が貧弱で役立つ情報に乏しいため。
  • 在宅の患者がいないため。

◆利用頻度が「利用実績無し」の理由

  • 使い方が分からないため。
  • 面倒なため。
  • 見る余裕がないため。

※その他(未加入者コメント)

  • 異動時に使い方を教えてもらえなかったため。
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 回答者でNet4Uに加入している者のうち、40%以上が週に数回以上使用している。
 一方、35%以上が全く?ほとんど利用していない状況である。その理由としては、必要性を感じない・入力が面倒といったネットワークの効用を感じていないことに起因するものが数多く出されたが、使い方が分からないからという声もあることから、加入者へのフォローアップも必要と思われる。


5)Net4Uで利用している情報は何ですか。(一つ選択)

【施設種別ごと】n=38 所見
画像
処方歴
検査結果
その他
病院・勤務医 8
0 1 1 0
診療所 5 0 1 2 3
歯科診療所 0 0 0 0 0
薬局 3 0 0 0 2
介護・福祉施設 9 0 0 0 3
25 0 2 3 8
【利用頻度ごと】 所見
画像
処方歴
検査結果
その他
ほぼ毎日 7
0 1 2 4
週に数回 8 0 0 0 1
月に数回 6 0 0 0 1
年に数回 2 0 1 1 1
ほとんど無し 1 0 0 0 0
以前利用・現在無し
1 0 0 0 1
25 0 2 3 8

※「その他」の内容
 ・所見、画像、処方歴、検査結果(3) ・所見、処方歴、検査結果(1) ・所見、処方歴(1)
 ・記録での報告(1) ・在総診(寝たきり老人在宅総合診療料)の連絡(1) ・記載無し(1)

 どの職種であっても「所見」の利用が最も多かった。
※利用頻度の高い項目の把握を意図していたが、選択方法を「一つ選択」としたため、設問の趣旨が伝わりにくくなり、表上の「画像」項目はゼロとなった。しかし、「※「その他」の内容」にあるように、「画像」を含め全ての項目を選択した者も3名いることから、「画像」についても相当数の利用があるものと予想される。他の項目も同様であり、選択数について配慮すべきであったと反省している。よって、結果については参考としていただきたい。


6)Net4U利用のメリットは何ですか。(三つまで選択可)

【施設種別ごと】
n=90
迅速な患者
情報把握
正確な患者
情報把握
情報共有に
よる連携強化
指示・報告の
確実性確保
重複検査
回避
患者情報を
いつでも、どこでも
確認・共有できる
その他※
病院・勤務医 4
6 8 1 1 1 1
診療所 5 3 8 3 1 5 0
歯科診療所 0 0 0 0 0 0 0
薬局 3 2 5 3 0 1 0
介護・福祉施設 7 7 11 3 0 1 0
19 18 32 10 2 8 1
構成割合(%) 21.1 20.0 35.6 11.1 2.3 8.9 1.0

※「その他」の内容
  ・他医への紹介状連携

【施設種別ごと】
n=90
迅速な患者
情報把握
正確な患者
情報把握
情報共有に
よる連携強化
指示・報告の
確実性確保
重複検査
回避
患者情報を
いつでも、どこでも
確認・共有できる
その他※
ほぼ毎日
6
5 12 3 1 3 0
週に数回 3 7 8 3 0 1 1
月に数回 4 3 6 2 0 1 0
年に数回
3 1 3 1 0 2 0
ほとんど無し 1 1 1 1 0 1 0
19 18 32 10 2 8 1
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 連携強化をメリットに挙げる者が最も多かったが、他の項目と比べて利用頻度が高い者ほどその傾向が強かった。


7)Net4Uを利用して変わったことは何ですか。(自由記載)

利用頻度     A:ほぼ毎日、B:週に数回、C:月に数回、D:年に数回、E:ほとんど利用無し
F:以前利用・現在無し、G:利用実績無し

□病院

  • 連携が容易になった。十分な量の情報を簡単に送ることができる。(A)
  • 地域で診てもらっている患者の状況把握ができる。(B)
  • 他科との連携が必要な患者の把握。かかりつけ医からの紹介状を事前に読むことができる。(B)
  • 在宅療養患者の状況を把握できる。(C)
  • 情報共有が比較的容易になった。(D)
  • 在宅患者の病状がリアルタイムで把握できる。(F)

□診療所

  • 患者管理に安心感が生じる。(A)
  • 連携がしやすくなった。(A)
  • 検査の結果が早くなった。(A)
  • 訪問看護との連携が良くなった。(A)
  • 情報共有による連携強化のほか、診療情報提供書作成が簡単になった。(A)
  • 仕事が増えた。情報を共有できる(ハローナースなど)。(A)
  • 入力が必要なため、時間がかかる。(F)

□薬局

  • 医師・看護師の視点を知ることができ、結果的に自分(薬剤師)の視点と役割を再認識できた。(A)
  • 薬局にいながらにして、医院の指示を確認、連絡が確実になった。(A)
  • いつでも患者情報を確認できる。患者が医師に言えないことも、薬局から簡単に報告ができるようになった。(B)
  • 医師の意図が分かるので、動きやすくなった。また、こちらからの情報や提案、看護師からの依頼など届きやすく、伝えやすくて良い。(F)

□居宅介護支援事業所

  • 患者の状況変化がすぐに分かるようになった。各サービス事業者との情報共有がすぐにでき、早めに対応ができるようになった。(A)
  • 利用前よりも本人の状況がより詳しく迅速に把握できるようになった。(B)
  • タイムリーに情報交換することで、利用者の状況をすぐに把握できるようになった。情報共有することで利用者の変化にすぐ対応できている。主治医の先生と身近なやりとりができるようになった。(C)
  • 医師と訪問看護と情報共有がしやすくなった。床ずれの状況や薬剤情報が把握しやすい。(C)
  • 患者さんへの迅速な対応ができるようになった。(C)
  • 主治医との連携が取り易くなった。(D)

□訪問看護ステーション

  • 主治医をはじめ、関わる人達の考え、思いを知ることが容易になった。(A)
  • 時間を気にせず報告できる。(A)

□特別養護老人ホーム

  • 皮膚科通院が少なくなり、画像診断で処方を受けることができるようになった。専門医の診断を受けることができる。(B)

□訪問入浴介護

  • 利用者の状況を確認し、訪問できる。共有することで、チーム力の強化になった。(B)

Net4Uの利用により、迅速性・正確性の向上が図られ、他職種との連携強化に繋がっていることが分かる。


8)Net4Uを今後どのように利用していきたいですか。(自由記載)

利用頻度     A:ほぼ毎日、B:週に数回、C:月に数回、D:年に数回、E:ほとんど利用無し
F:以前利用・現在無し、G:利用実績無し

□病院

△必要にして十分な医療情報を伝達する。(A)
△簡単な処置などは地域診療所で行い、当科ではNet4Uチェックをして指示を出す。(B)
△多職種で情報を共有する。(C)
△必要時に情報共有のツールとして使いたい。(D)
△特に他医療機関との連携を強化したい患者さんで利用したい。(E)
△所見レポート作成の際に正確な患者情報を把握する。(E)
△病院連携を緊密化する。(F)
△手軽に患者紹介したり、紹介を受けたり、ちょっとした相談を受けたりする。(G)
▼小児科医会の中で利用することは、現段階では難しい。(E)
▼今のところ利用する予定はない。(E)
▼利用の必要性がない。(G)

□診療所

△ケアマネ、施設間とのやり取りに生かしたい。(A)
△情報を蓄積する。(A)
△レセプトコンピュータとの連動を期待する。より多くの施設と連携する。(A)
△今まで通り、自分の患者の管理や、紹介や介護施設などの連絡等に使用したい。(A)
△情報交換での連携を強化したい。(A)
△在宅医療に利用したい。(A)
△他職種の方たちとの連携を更に強めるためのツールとして活用していきたい。(A)
△連携に利用したい。(E)
△病院との連携に利用したい。(E)
△必要時に利用したい。(E)
▼たぶん使用しないだろうと思う。(E)
▼現在は必要性を感じていない。(E)
▼今は考えていない。主治医が血液検査結果等を記載したお薬手帳を、患者が持っていてくれた方が良い。(F)

□薬局

△今は緩和ケア症例のみで利用しているので、今後は、認知症・糖尿病など薬物治療・管理で薬剤師の介入事例を増やし、Net4U利用も増やせればと思う。(A)
△急がない報告、患者の希望などの反映に利用したい。(A)
△他職種との連携に利用したい。(B)
△情報の共有に利用したい。(E)
▼件数(事例)が多くないので、よく分からない。とりあえずこれまで通り。(F)

□居宅介護支援事業所

△もっと介護分野(デイサービス、ヘルパーショートステイ事業所)とも共有できればいいと思う。(A)
△ショートステイやデイサービス、ヘルパー等のサービス提供事業所とも情報共有していきたい。(C)
△PC上で症例検討できればと思う。(C)
△利用確認書や照会文、担当者会議(主治医が参加できる形)で利用したい。(C)

□地域包括支援センター

△地域包括支援センターとして、虐待事例や支援困難事例の主治医連携・介護予防ケアマネジメント業務に活用したい。(E)

□訪問看護ステーション

△24時間緊急対応時にも活用できるようにしていきたい。情報把握と報告に利用したい。(A)

□訪問入浴介護

△経過報告の場として、医師、ケアマネジャーとの活用を充実させたい。(B)

■未加入者のコメント

△電子カルテの環境がないので、利用についての目途はまだない。診療で有益な利点が出るまではペンディングか。(診療所)
△利用者自身どんな治療を受けているか理解してない場合があるので、アクセスすることによって、正確な情報を把握できるので利用していきたい。(居宅介護支援事業所)
△利用者の身体状況、家庭での状況など情報提供や質問があった場合に、回答してもらえると良い。介護計画に係る医師の意見書の交換なども。(介護老人保健施設)
▼使わなくても不便を感じてないので、今後も使う予定はない。(病院)

 連携ツールとしての活用を図ろうとしている。さらに、利用頻度が高い者ほど、他職種との連携を図るツールとしての活用可能性を見出しているようである。


9)Net4Uで改善した方が良い点はどんなところですか。(自由記載)

利用頻度     A:ほぼ毎日、B:週に数回、C:月に数回、D:年に数回、E:ほとんど利用無し
F:以前利用・現在無し、G:利用実績無し

□病院

  • IDLinkのようなカレンダー表示(より簡単なものでも良い)をとり入れたらどうか。より広い、コ・メディカルの参画。(A)
  • 糖尿病連携パスとの互換性が進んで欲しい。(B)
  • 利用者の拡大。院内での機動力が遅く時間のロスが負担である。(C)
  • データなど手入力するのは大変である。(E)
  • 画面の展開スピードを速くする。(F)
  • 簡単に使えるようにすべき。ID覚えてないので面倒。(G)

□診療所

  • パスとの連動。(A)
  • 新しいNet4Uでは、指示書を常に最初から入力しなければならないため、前回のデータを参照できるようにして欲しい。(A)
  • 連携医療機関がもっと入力して欲しい。(A)
  • やや煩雑。(E)
  • Net4Uとちょうかいネットは一つにできないのか。Net4Uに登録されていても、ほとんど情報の記載がなく、役立たない。検査データと処方薬の記載しかない。(問診も診療所見も、鑑別診断も方針もない。)(F)

□薬局

  • 当方の回線によるものかもしれないが、ページ更新までの時間を短縮してもらいたい。
  • 利用していない医師もいるようなので、是非利点を理解していただいて、皆で在宅に利用していければと思う。(F)

□居宅介護支援事業所

  • 「サービス担当者会議照会書」様式を添付して医師に照会した際に、その添付様式に医師が回答を入力できるシステムにして欲しい。(A)
  • 導入医師の拡大(担当の医師未加入)。医師からのメール返答なし等。(B)
  • 招待により一旦アクセスが可能となったメンバーは、その後、患者に関わりが無くなっても閲覧等が可能な状態にあるが、現在関わっている以外のメンバーは閲覧できないようにして欲しい。(C)
  • 利用できる開業医が少ないので、医療側の加入も必要と思う。(D)

□訪問看護ステーション

  • 参加医師の増加。(A)

 システムのレスポンスに関して複数の要望が出されているが、何よりも利用者、特に医師の利用拡大を望む声が多い。


10)ちょうかいネットを知っていますか
11)ちょうかいネットに参加登録していますか

n=183 回収数
(a)
10)認知数
(d)
認知割合(%)
(d/a)
11)加入
(参考)調査時点での
登録総数 ※
病院・勤務医 24 23 95.8 12 3
診療所 37 30 81.1 5 15
歯科診療所 33 13 39.4 0 1
薬局 35 25 71.4 2 4
介護・福祉施設 54 25 46.3 0 1
183 116 63.4 19 24
※病院・診療所は施設ごとの数である。
 Net4Uと比較すると、認知割合は総じて低い状況である。特に歯科診療所において低くなっている。
 Net4Uとの特色の違いや併用メリットも含めて、ちょうかいネットの啓発が必要である。


12)ちょうかいネットを知っているが登録していない場合、今後登録する予定はありますか

n=97 認知数
(d)
登録
(e)
未登録
(d-e)
ある
ない
未回答 ※
病院・勤務医 23 12 11 3 3 5
診療所 30 5 25 11 14 0
歯科診療所 13 0 13 6 3 4
薬局 25 2 23 10 11 2
介護・福祉施設 25 0 25 5 12 8
116 19 97 35 43 19
※登録状況について未回答を含む

◆登録予定がない場合の理由(回答者26)

  • 必要性を感じない、今のところ不便を感じないため。(8)
  • 現在必要とする患者がいないため。(5)
  • 多数の患者の了解を得るのが大変、忙しいため。(3:診療所、薬局)
  • 内容を理解していない、詳細不明のため。(3:薬局、居宅介護支援事業所、老健)
  • 経営陣が興味を示さない、会社の方針のため。(2:薬局、居宅介護支援事業所)
  • その時期ではないため。(1:診療所)
  • 診療圏外であるため。(1:歯科診療所)
  • 回線がISDNのため。(1:薬局)
  • 医療機関でないため。(1:居宅介護支援事業所)
  • 嘱託医を通して情報を得ることができているため。(1:特養)

◆未回答者のコメント(回答者2)

  • どちらともいえない。(1:歯科診療所)
  • 鶴岡なのでエリア外と思ったため。(1:歯科診療所)

 ちょうかいネットを知っているが登録していない者の36%が登録したいと回答している。特に、診療所・薬局において多いことから、当該職域への勧奨が有効と思われる。
 一方、登録予定がない理由として、「必要性を感じない・不便を感じない」が最も多くなっている。さらに、「内容を理解していない」「鶴岡はエリア外」といったシステムそのものに関する理解不足も要因の一つと考えられることから、一層の啓発が必要である。


13)ちょうかいネットの利用頻度はどの程度ですか

n=19 ほぼ毎日
週に数回
月に数回
年に数回
ほとんど無し
以前利用
現在無し
利用実績無し
病院・勤務医 0
0 2 0 3 0 7
診療所 1 1 3 0 0 0 0
歯科診療所 0 0 0 0 0 0 0
薬局 0 0 0 0 0 0 2
介護・福祉施設 0 0 0 0 0 0 0
1 1 5 0 3 0 9
構成割合(%) 5.3 5.3 26.3 0.0 15.8 0.0 47.3

◆利用頻度が「ほとんど無し」の理由

  • 対象患者がいない。
  • 患者から同意を得る手続きが面倒。

◆利用頻度が「利用実績無し」の理由

  • 今のところ症例なし。
  • 今のところ必要がなかったので。
  • よく知らない。

※その他(未加入者コメント)

  • 使い方が分からない。
  • 嘱託医を通して情報を得られている。
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14)ちょうかいネット利用のメリットは何ですか。(三つまで選択可)

【施設種別ごと】
n=22
迅速な患者
情報把握
正確な患者
情報把握
情報共有に
よる連携強化
指示・報告の
確実性確保
重複検査
回避
患者情報を
いつでも、どこでも
確認・共有できる
その他
病院・勤務医 1
3 1 1 2 0 0
診療所 4 4 2 0 1 2 0
歯科診療所 0 0 0 0 0 0 0
薬局 0 1 0 0 0 0 0
介護・福祉施設 0 0 0 0 0 0 0
5 8 3 1 3 2 0
構成割合(%) 22.7 36.4 13.6 4.6 13.6 9.1 0.0
 データ数が少ないものの、Net4Uで一番多かった連携強化よりも、情報の正確性の方によりメリットがあると捉えているようである。このことは、ちょうかいネットが主治医の日々の診療録を閲覧できるという、システムの特徴によるものと推察される。


15)ちょうかいネットを利用して変わったことは何ですか。(自由記載)

利用頻度     A:ほぼ毎日、B:週に数回、C:月に数回、D:年に数回、E:ほとんど利用無し
F:以前利用・現在無し、G:利用実績無し

□病院

  • 発症時や手術前の画像が見られる。治療や経過の詳細が分かる。(C)

□診療所

  • 入院したかどうか分かる。(B)
  • 日本海総合病院紹介後の状況がリアルタイムに分かる。本人・家族とも情報を共有できる。(C)


16)ちょうかいネットを今後どのように利用していきたいですか。(自由記載)

利用頻度     A:ほぼ毎日、B:週に数回、C:月に数回、D:年に数回、E:ほとんど利用無し
F:以前利用・現在無し、G:利用実績無し

□病院

△患者の病状の経過を深く理解する。(C)
△周産期医療での利用方法を検討していきたい。(E)
△必要時の情報の閲覧に利用したい。(E)
△特に日本海総合病院など病院間の情報伝達のツールとして利用したい。(G)
△レポート作成の際の画像参照、患者情報把握に利用したい。(G)
△病院同士のカルテ共有化に進むと良い。(G)
▼あまり価値を見い出せない。(G)


□診療所

△これまで通り(A)
△日本海総合病院は最近は全て登録している。今後荘内病院も登録する予定。(C)


□薬局

△門前の医院が利用申請していない為、患者の参加同意に至っていないが、今後荘内病院などネットワークにすでに入っている医療機関の患者に参加同意を働きかけていきたい。(G)


■未加入者のコメント

△検査所見の確認に利用したい。(病院)
△日本海総合病院などへの紹介の時など利用したい。(診療所)
△情報共有・連携強化に利用したい。(居宅介護支援事業所)
▼嘱託医が登録しているため、登録医を通して情報を得ている。それ以上の必要性は感じない。(特養)
▼利用する気はない。(病院)
▼Net4U同様に今のところ利用予定はない。(診療所)


 鶴岡地区以外の医療機関との連携ツールとしても活用を考えていることがうかがえる。
 なお、Net4Uとちょうかいネット、二つのシステムそれぞれの特徴(Net4Uでは関係施設相互での診療情報の登録が可能、ちょうかいネットでは開示施設の詳細な診療情報が閲覧可能など)を理解し、それぞれのメリットを活かした運用も期待される。


17)ちょうかいネットで改善した方が良い点はどんなところですか。(自由記載)

利用頻度     A:ほぼ毎日、B:週に数回、C:月に数回、D:年に数回、E:ほとんど利用無し
F:以前利用・現在無し、G:利用実績無し

□病院

  • コ・メディカルの情報がほとんどない。疑義照会ができるシステムが欲しい。(C)
  • 情報を見る手続きの簡略化、もっと多くの情報(治療内容など)を見られるようにする。(E)
  • メール機能を付けること。(G)
  • 病院同士のカルテ共有化。(G)

□診療所

  • 入院患者の場合、病棟の看護記録、経過表(温度板)が閲覧できるといい。(A)

□薬局

  • まず、個人の開業医などに利用申請するよう、積極的に呼びかけて欲しい。(G)


18)Net4Uとちょうかいネットの情報共有の仕組みの違いをご存知ですか

n=113※ 知っている
ある程度
知っている
知らない
未回答
病院・勤務医 3
7 11 2
診療所 5 13 11 1
歯科診療所 1 5 5 0
薬局 5 11 8 0
介護・福祉施設 2 9 13 1
16 45 48 4
構成割合(%) 14.2 39.8 42.5 3.5
※Net4U・ちょうかいネットの両方を知っている者を対象


19)Net4Uとちょうかいネットを併用した場合のメリットをご存知ですか

n=113※ 知っている
ある程度
知っている
知らない
未回答
病院・勤務医 1
6 14 2
診療所 3 13 12 2
歯科診療所 0 5 6 0
薬局 5 9 10 0
介護・福祉施設 2 7 13 3
11 40 55 7
構成割合(%) 9.7 35.4 48.7 6.2
※Net4U・ちょうかいネットの両方を知っている者を対象

18)仕組みの違い理解

19)併用メリット理解

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 2つのシステムを知っていても、その違いやメリットの理解が進まないと、効果的な活用が図られないため、その視点での啓発も必要である。


20)地域外の医療機関の医療情報を閲覧したいですか

n=16※ 有償でも
閲覧したい
無償なら
閲覧したい
どちらとも
いえない
必要性は
感じない
未回答
病院・勤務医 1
3 3 2 2
診療所 0 1 1 2 0
歯科診療所 0 0 0 0 0
薬局 0 1 0 0 0
介護・福祉施設 0 0 0 0 0
1 5 4 4 2
※Net4U・ちょうかいネットの両方に参加している者を対象


21)多職種連携を進める上で、医療情報ネットワークに期待することは何ですか

□病院

  • 簡略かつ高いセキュリティで情報の双方向のやりとりができること。
  • 介護施設を含めた維持期医療機関へ拡大されることを期待する。コ・メディカルにとっても使い易く便利なシステムの開発をして欲しい。
  • 情報の迅速かつ正確な把握。顔の見える関係へのツール。
  • システムより直接のコミュニケーションが先ず優先されると思う。
  • ネットだけでなく、医療者同士、生の声を聞く姿勢が大切。

□診療所

  • 多職種連携での効率化を図られること。
  • 患者の利益を損なわないような運営をして欲しい。
  • より多くの医師の積極的な関わり。
  • 指示の方向性の安定化。
  • もっと簡便に。
  • もっと使いやすい体制が必要。電子カルテの他にもう一度カルテを作るような手間は忙しい外来では不可能と思う。
  • 情報を共有する人間の資質が問題。

□歯科診療所

  • 関連する職種をはずさない。運用面で問題になったことの情報開示。
  • 今の所まだまだ参加するメリットが詳しく分からないので、説明の機会が増えることを望む。
  • 迅速かつ正確な患者情報把握と情報の共有化。
  • なるべくシンプルに。利用者のパソコンスキルが高いとは限らないため。

□薬局

  • 患者の安全。QOLの向上。
  • 今のところ、ネットワークに参加している医療機関が薬局も含め少なすぎる。参加するのが当たり前だという認識を持って強力に推進して欲しい。
  • システムが分かりやすいこと。
  • 基幹病院の採用医薬品情報の閲覧等。

□居宅介護支援事業所

  • タイムリーな情報共有。
  • サービス提供事業者も、医師から直接情報が得られればいいと思う。
  • 医療機関同士の連携がスムーズだと利用者の負担も減ると思うので、良いと思う。
  • 地域の医療者とネットワークが出来たらと考えている。
  • 在宅で支援するなら、これだけは知っておいて欲しいと思う医療専門用語を知りたい。
  • 多職種が医療情報ネットワークを通じて、顔の見える関係となれるよう期待する。

□地域包括支援センター

  • 情報の共有はチームケアを行う上での基本だと思う。そのツールとして介護職の守秘義務を認め、関わる全職種が共有できるようになればと思う。
  • 患者・利用者の為の支援体制であって欲しい。
  • タイムリーな情報(その事業所で必要と思う情報)がすぐ確認できること。
  • 適正に活用すれば有効だと思うが、全医療、全事業所が繋がらないとあまり意味がないと思う。

□介護老人保健施設

  • 情報の迅速かつ正確な把握、顔の見える関係へのツール。

□小規模多機能型居宅事業所

  • 内服薬の変更時等、医療職(主治医)との情報共有等で必要性。

 多くの職種の多くの者が関われるような、分かりやすいシステムが求められている。
また、システムだけではなく、それを使う『人』の顔の見える関係がベースとなるという認識が示されている。